【クロロフィル、ポルフィリン色素、ヘモグロビンとミオグロビンの違い】色素についてわかりやすく説明します!簡単!
「クロロフィル、ヘモグロビン、ミオグロビンは、ポルフィリン系の天然色素です」な~んて言われても、意味わからないですよね。
噛み砕いてわかりやすく説明していきます!
クロロフィルは、植物が光合成をする時に必要な緑色の色素です。
「ポルフィリン環」の中心にマグネシウムがくっついた(キレート結合した)もので、「葉緑素」とも呼ばれます。
このようにポルフィリン環を基本骨格としている色素を「ポルフィリン色素」と言います。
代表的なクロロフィルは、「クロロフィルa」、「クロロフィルb」、「クロロフィルc」、「クロロフィルd」です。
「ポルフィン環」に他の物質がくっついたものを総称して「ポルフィリン環」と言います。
・クロロフィルb:緑の植物や緑藻類に含まれる。クロロフィルaと同じように、加熱によりフェオフィチンに変化する。 ※海藻にはない
・クロロフィルc:海藻に含まれる。
・クロロフィルd:海藻に含まれる。
酵素の作用などによりクロロフィルから「フィトール」という部分が切断されてマグネシウムが脱離すると、「フェオフォルバイド」を生成します。
この「フェオフォルバイド」が体内に入ると、皮膚に炎症が起きます。
通常、トマトは青いトマトの状態で収穫され出荷されます。その後、店頭に並ぶ時には熟して赤くなっています。
この青は、クロロフィルの色です。
赤くなっていくのは、クロロフィルが分解されるためです。
赤い色素が増えるのではなく、クロロフィルが減って赤い色素が見えてくるだけです。
クロロフィルのマグネシウムの部分が銅になったものです。
脂溶性のクロロフィルをアルカリ処理して水溶性にした緑の色素です。水溶性にすることで食品や医薬品の着色料として扱いやすくなります。
ポルフィリン環の中心に鉄がくっつくと、赤い色素になります。
このような色素を「ヘム(ヘム色素)」と言います。
我々の血液が赤い色をしているのは、「ヘモグロビン」があるためです。ヘモグロビンは、「ヘム」と、「グロビン」というタンパク質が結合したものであり、体内で酸素を運搬する働きをしています。
このように、色素とタンパク質が結合したものを「色素タンパク質」と呼び、その中でもヘムと結合しているタンパク質を「ヘムタンパク質」と呼びます。
※ちなみにクロロフィルとタンパク質が結合すると「クロロフィルタンパク質」になります
ヘムタンパク質は、ヘモグロビンの他にも「ミオグロビン」、「シトクロム」などがあります。
ヘム1分子とグロビン1分子が結合している、赤いヘムタンパク質です。
筋肉の中にあるため、「筋肉ヘモグロビン」と呼ばれることもあります。
ヘモグロビンは、ヘム1分子とグロビン4分子が結合しています。
売られているお肉の赤い色は、ヘモグロビン,ミオグロビン,シトクロムの色です。
その中でも、人が食べるお肉は主に動物の筋肉の部分なので、ほとんどがミオグロビンの色です。
ミオグロビンは酸素と結合しやすい性質を持っており、それにより色が変わります。
酸素と結合していない(還元型の)ミオグロビンは、暗い赤色をしています。
時間が経ち酸化すると、キレイな赤色のオキシミオグロビンを生じます。スーパーで売られているおいしそうなお肉の色はオキシミオグロビンの色です。
しばらく空気にさらしておくと、更に酸化が進み、二価鉄(Fe2+)が三価鉄(Fe3+)になり褐色のメトミオグロビンになります。
お肉を加熱すると、酸化とグロビンの熱変性により、灰褐色のメトミオクロモーゲンになります。
※「ミオグロモーゲン」ではなく、「ミオクロモーゲン」です。
ハムやベーコンは長期間保存しても色が黒っぽくなりません。
なぜかというと、「亜硝酸塩(あしょうさんえん)」などの発色剤が添加されているためです。
発色剤を漬けこむことにより、ミオグロビンが一酸化炭素と結合して鮮やかなニトロソミオグロビンになります。
更にこれを加熱すると、柔らかいピンク色のニトロソミオクロモーゲンになり、消費者の食欲をかきたてるようになります。
・クロロフィルは光合成をするための緑色の色素。緑の植物や藻、海藻に含まれている。
・ポルフィリン色素とは、ポルフィリン環を基本骨格とする色素。クロロフィルやヘムが代表。
・クロロフィルはポルフィリン環の中心にマグネシウムが結合している。
・ヘムはポルフィリン環の中心に鉄が結合していて赤い。
・ミオグロビンは、ヘム1分子とグロビン1分子が結合したもので、筋肉に多く含まれる。
・ヘモグロビンは、ヘム1分子とグロビン4分子が結合したもので、血液に多く含まれる。
・酸化されていないミオグロビンは暗い赤色。酸化すると綺麗な赤色になる。更に酸化が進むとまた色が暗くなる。加熱するともっと暗くなる。
・ハムやベーコンの色が鮮やかなままなのは、発色剤が添加されているため。発色剤によりミオグロビンは安定する。
関連記事はコチラ
➜ サイトのもくじ【食品学】
噛み砕いてわかりやすく説明していきます!
🔶ポルフィリン色素
クロロフィルとは?
我輩はケロロ軍曹であります。
クロロフィルは、植物が光合成をする時に必要な緑色の色素です。
「ポルフィリン環」の中心にマグネシウムがくっついた(キレート結合した)もので、「葉緑素」とも呼ばれます。
このようにポルフィリン環を基本骨格としている色素を「ポルフィリン色素」と言います。
代表的なクロロフィルは、「クロロフィルa」、「クロロフィルb」、「クロロフィルc」、「クロロフィルd」です。
ポルフィリン環とは?
「ポルフィン環」に他の物質がくっついたものを総称して「ポルフィリン環」と言います。
代表的なクロロフィルの特徴
・クロロフィルa:緑の植物、緑藻類(ミカヅキモなど)、海藻に含まれる。加熱によってマグネシウムがはずれると、黄褐色のフェオフィチンに変化する。・クロロフィルb:緑の植物や緑藻類に含まれる。クロロフィルaと同じように、加熱によりフェオフィチンに変化する。 ※海藻にはない
・クロロフィルc:海藻に含まれる。
・クロロフィルd:海藻に含まれる。
酵素の作用などによりクロロフィルから「フィトール」という部分が切断されてマグネシウムが脱離すると、「フェオフォルバイド」を生成します。
この「フェオフォルバイド」が体内に入ると、皮膚に炎症が起きます。
青いトマトと赤いトマト
通常、トマトは青いトマトの状態で収穫され出荷されます。その後、店頭に並ぶ時には熟して赤くなっています。
この青は、クロロフィルの色です。
赤くなっていくのは、クロロフィルが分解されるためです。
赤い色素が増えるのではなく、クロロフィルが減って赤い色素が見えてくるだけです。
銅クロロフィルとは?
クロロフィルのマグネシウムの部分が銅になったものです。
クロロフィリンとは?
脂溶性のクロロフィルをアルカリ処理して水溶性にした緑の色素です。水溶性にすることで食品や医薬品の着色料として扱いやすくなります。
ポルフィリン色素(ポルフィリン系色素)は他にもある?
ポルフィリン環の中心に鉄がくっつくと、赤い色素になります。
このような色素を「ヘム(ヘム色素)」と言います。
ヘム?
我々の血液が赤い色をしているのは、「ヘモグロビン」があるためです。ヘモグロビンは、「ヘム」と、「グロビン」というタンパク質が結合したものであり、体内で酸素を運搬する働きをしています。
このように、色素とタンパク質が結合したものを「色素タンパク質」と呼び、その中でもヘムと結合しているタンパク質を「ヘムタンパク質」と呼びます。
※ちなみにクロロフィルとタンパク質が結合すると「クロロフィルタンパク質」になります
ヘムタンパク質は、ヘモグロビンの他にも「ミオグロビン」、「シトクロム」などがあります。
ミオグロビンとは?
ヘム1分子とグロビン1分子が結合している、赤いヘムタンパク質です。
筋肉の中にあるため、「筋肉ヘモグロビン」と呼ばれることもあります。
ヘモグロビンとミオグロビンの違い
ヘモグロビンは、ヘム1分子とグロビン4分子が結合しています。
シトクロムとは?
動物や人の体内での電子伝達系(エネルギーをつくる機構)の構成成分として働く赤いヘムタンパク質です。
食肉の色の変化
売られているお肉の赤い色は、ヘモグロビン,ミオグロビン,シトクロムの色です。
その中でも、人が食べるお肉は主に動物の筋肉の部分なので、ほとんどがミオグロビンの色です。
ミオグロビンは酸素と結合しやすい性質を持っており、それにより色が変わります。
酸素と結合していない(還元型の)ミオグロビンは、暗い赤色をしています。
時間が経ち酸化すると、キレイな赤色のオキシミオグロビンを生じます。スーパーで売られているおいしそうなお肉の色はオキシミオグロビンの色です。
しばらく空気にさらしておくと、更に酸化が進み、二価鉄(Fe2+)が三価鉄(Fe3+)になり褐色のメトミオグロビンになります。
お肉を加熱すると、酸化とグロビンの熱変性により、灰褐色のメトミオクロモーゲンになります。
※「ミオグロモーゲン」ではなく、「ミオクロモーゲン」です。
ハムはなぜピンク色なのか
ハムやベーコンは長期間保存しても色が黒っぽくなりません。
なぜかというと、「亜硝酸塩(あしょうさんえん)」などの発色剤が添加されているためです。
発色剤を漬けこむことにより、ミオグロビンが一酸化炭素と結合して鮮やかなニトロソミオグロビンになります。
更にこれを加熱すると、柔らかいピンク色のニトロソミオクロモーゲンになり、消費者の食欲をかきたてるようになります。
まとめ
・クロロフィルは光合成をするための緑色の色素。緑の植物や藻、海藻に含まれている。
・ポルフィリン色素とは、ポルフィリン環を基本骨格とする色素。クロロフィルやヘムが代表。
・クロロフィルはポルフィリン環の中心にマグネシウムが結合している。
・ヘムはポルフィリン環の中心に鉄が結合していて赤い。
・ミオグロビンは、ヘム1分子とグロビン1分子が結合したもので、筋肉に多く含まれる。
・ヘモグロビンは、ヘム1分子とグロビン4分子が結合したもので、血液に多く含まれる。
・酸化されていないミオグロビンは暗い赤色。酸化すると綺麗な赤色になる。更に酸化が進むとまた色が暗くなる。加熱するともっと暗くなる。
・ハムやベーコンの色が鮮やかなままなのは、発色剤が添加されているため。発色剤によりミオグロビンは安定する。
関連記事はコチラ
➜ サイトのもくじ【食品学】