『沈黙の臓器』と言われる肝臓の働き-まとめ

「検査結果の肝臓の数値が悪かったけど、肝臓ってどんな役割をもつ臓器なんだっけ?」

胃や腸、肺などは、なんとなくどんな働きをしているのかが分かりやすい臓器ですが、肝臓って、具体的に何をしている臓器なのか分からない人、結構多いです。


簡単にまとめましたので、確認してみましょう。

🔶肝臓の働き

肝臓の悩み






肝臓の働き-まとめ

肝臓
肝臓は、上の図の濃いピンク色の部分で、人間の体の中でもっとも大きい臓器です。ヒトの成人の肝臓は、約1.2~1.4kgもあるとか。

ちなみに「レバー」はドイツ語なのですが、日本語に直訳すると、肝臓という意味です。
鶏や豚にも肝臓があり、私たちは、レバニラ炒めなどとして動物の肝臓を食べています。

自覚症状が現れた時には症状がかなり進行しているため、「沈黙の臓器」と言われています。健康診断は大事ですね。

肝臓はとても再生能力が高く、手術などで肝臓の80%を削除されても、約4ヶ月経つと、大きさが元に戻ります。ビックリですよね。
だからと言って調子に乗って肝臓を酷使すると、使えなくなります。

日本語に、「肝心」という言葉があるように、肝臓は、心臓と並んでとても大切な臓器なのですが、肝臓の役割は大きく分けて3つあります。

①体に必要な物質を作り、送り出す

肝臓 貯蓄
●栄養分を、体が必要とする物質に作り替える
・アミノ酸をたんぱく質に合成する(アルブミンや血液凝固因子を作る)
・当分をグリコーゲンに
・脂肪を


アルブミンは肝臓でしか作られないので、肝障害を起こすと、水が体にたまり、むくみや腹水を起こしやすくなる
血液凝固因子が作られないくなると、出血しやすくなったり、血が固まらなくなる。


●栄養分を一時的に貯蔵する
→ビタミンを貯蔵したり活性化させる(鶏などのレバーにビタミンが多いのはそのため)



②消化吸収にかかわる胆汁を合成する

肝臓 合成
●胆汁は消化液の一つで、脂肪などの消化吸収を担う。

●体中の老廃物を体外に排出する。→肝臓が悪くなると老廃物(赤血球が壊れて出てくるビリルビン)が増えて黄疸症状(目や皮膚が黄色くなる)が現れたりする。





③有害な物質を取り除く

肝臓 解毒
●解毒作用がある。

口から入ってきた食物に入っている有害な物質や、大腸からくる有害物質を取り除く。
有害な物質の働きを抑制させる作用も。


肝硬変になると、肝臓が硬くなっているため、血液が肝臓を通らなくなり、有害物質が脳まで送り込まれてしまうことがある。→肝性脳症→方向がわからなくなったり、簡単な計算ができなくなったり昏睡状態になることも。

薬物を尿や胆汁中に排泄する
水に溶けにくい有害物質を水に溶けやすく変化させる。

肝臓が悪い人は薬をうまく分解できずに薬が効きすぎることがある

アルコールの処理(アルコール処理の量が過剰だと肝臓の働きが追い付かず、壊れてしまう。)


要するに
食べたものを体の栄養にし、余分なものを掃除する場所」です。

肝臓の働きがなければ体に栄養が付かない上に、いらないものが溜まる一方なので、最悪、死の直接的な原因になります。怖いですね。脅しているわけではありません。それほど肝臓を大切にしてください、ということです。

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お酒が強い人は肝臓も強いの?


●お酒に弱い人は、アルコールからできた有害なアルデヒドを処理する、「アルデヒド脱水素酵素」が欠損しています。

●お酒に強い人は、この「アルデヒド脱水素酵素」が十分にあります。

つまり弱いor強いは、「アルデヒド脱水素酵素」の違いによるものなのです

肝臓が強いか弱いかは関係ありません。

人によってアルデヒド脱水素酵素の量は違うので、お酒の強要は絶対にやめましょう。