検査値の意味を解説します!【肝臓編】

ここでは肝臓の機能、いわゆる肝機能の検査結果について説明します。


🔶肝臓

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よくある健康診断の検査項目

AST(GOT):基準値0~40

読み方:エーエスティーまたはアスト(ジーオーティー)
単位:U/L (ユニットパーリットル)

呼び方がいっぱいあってややこしいですよね。

本当の名前を知ると、もっとややこしくなります(笑)

【本当の名前】
・AST→Aspartate transaminase(アスパラギン酸アミノ基転移酵素/ART)
・GOT→Glutamic Oxaloacetic Transaminase(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)

最近ではALTという呼び方が推奨されていますが、年配のお医者さまたちはいまだにGOTを使っている人も多いので、なかなか正式に名前を統一できないのでしょうね。

話がそれましたが、これは一言でいうと、体にある栄養素をもっと使いやすい栄養素に変化させる酵素です。

肝臓の細胞が破壊されたときに、このASTが血の中に放出され、濃度が高くなります。

筋肉や心臓の細胞が破壊されたときにも放出されるため、他の検査値は正常なのにこの数値だけ異常であれば、心筋梗塞や筋肉疾患の可能性もあります。

🏥危ないボーダーライン:51以上(病院で治療してください)


ALT(GPT):基準値0~45

読み方:エーエルティーまたはアルト(ジーピーティー)
単位:U/L (ユニットパーリットル)

【本当の名前】
・ALT→Alanine transaminase(アラニンアミノ基転移酵素)
・GPT→Glutamic Pyruvic Transaminase(グルタミン酸ピルビン酸転移酵素)

こちらの物質も、上記のASTと同じような酵素で、肝臓に多く分布します。
そのため、肝臓の細胞が破壊されると、ALTが血の中に放出され、ALT値が高くなる、というわけです。

🏥危ないボーダーライン:51以上(病院で治療してください)


γ-GT(γ-GTP):基準値50以下

読み方:ガンマジーティー(ガンマジーティーピー)
単位:U/L (ユニットパーリットル)

【本当の名前】
・γ-GT→γ-glutamyltransferase:ガンマ-グルタミルトランスフェラーゼ、GGT
・γ-GTP→γ-glutamyl transpeptidase:γ-グルタミルトランスペプチターゼ、GGTP

γ-GTPは、肝臓や胆道に異常があると血液中の数値が上昇します。
数値が高い場合は、アルコール性肝障害、慢性肝炎、胆汁うっ滞、薬剤性肝障害が疑われます。

お酒をよく飲む人は、この数値が高くなることが多いです。

🏥危ないボーダーライン:101以上(病院で治療してください)




ちなみに
Q.別のサイトを見ると、単位がIU/Lと記述されていました。どちらが正しい?

A.日本臨床検査医学会では、U/Lを推奨しています。


総タンパク(TP):基準値 6.5~7.9

読み方:そうたんぱく(ティーピー)
単位:g/dL(グラムパーデシリットル)

【英語での名前】
・Total Protein(トータルプロテイン)→略してTP。直訳すると、たんぱく質の総量。そのままですね。

血液の中に流れるたんぱく質はいろいろな種類があるのですが、それらをすべて合わせた量のことです。

🏥危ないボーダーライン:6.1以下、もしくは8.4以上(病院で治療してください)


疑われる病気
・低すぎる場合:肝機能障害、栄養障害、ネフローゼ、がん
・高すぎる場合:多発性骨髄腫、慢性炎症、脱水



アルブミン(Alb):基準値 3.8~5.3

単位:g/dL(グラムパーデシリットル)

【本当の名前】
・血清アルブミン(けっせいアルブミン)

上の総タンパク(TP)のうち67%を占めるたんぱく質の一種。
アルブミンは、体の中にあるさまざまな物質を運んでいます。

アルブミンは肝臓で作られているため、肝臓の機能が低下すると、アルブミンの量が少なくなります。
軽い炎症程度では、アルブミン値は下がりません。機能の低下が進んでくるとだんだん下がってきます。

🏥危ないボーダーライン:3.6以下(病院で治療してください)
疑われる病気→肝硬変、ネフローゼ、栄養失調



★下の条件に一つでも当てはまる人は年に1度は、上記の項目を必ず検査してください。
・家族に肝臓病の人がいる
・輸血を受けたことあがある
・急性肝炎になったことがある
・太っている
・40歳以上

検査をする方法
・近所の内科を見つける
・健康診断を行っているかホームページで確認