【リンパとは?】血液との違いをわかりやすく解説!
リンパ?リンパ管?リンパ節?リンパ液?リンパ系?
訳がわからない!
そんな時はここで解決!
よく、「リンパの流れ」という言葉を耳にしますよね。
この「リンパ」とは、「リンパ液」のことを指しています。
体液には、血液、リンパ液、そして組織液があります。
血液はご存知の通り、怪我をした時に出てくる赤い液体です。
でもたまに、透明~黄色っぽいの液体が出てくることがあるんですよね。
それが「リンパ液」です。
成分が似ているので「白い血液」など呼ばれることもあります。
リンパ液は、血液から浸み出たものだからです。
血管の外へ漏れると、その液体は「組織液」になります。
組織液は、血管と細胞との間で栄養分や老廃物の交換を行います。
組織液がリンパ管へ入ると「リンパ液」になります。
残りの組織液はまた血液に戻って、血液の一部になります。
リンパ液のはたらきはいくつかあります。
細胞にある余分な水分を吸い取ってリンパ液の一部にすることで、細胞内に水分が滞ることを予防しています。
もし、リンパ液の流れが滞り、細胞内の水分がたまってしまうと、「むくみ(浮腫)」が起こります。
リンパ液の中には「リンパ球」という免疫細胞が含まれています。
この免疫細胞は、体内に侵入してきた細菌や毒素を退治して、体を守る働きがあります。(詳しくは後述します)
脂質は、他の栄養素よりもサイズが大きいため、腸の毛細血管に入り込めません。
そのため一度リンパ管に入りリンパ液と一緒に血管(左鎖骨下静脈)を目指します。
→詳しくは【脂質を食べてから消化されるまでのルート】
その他には、ホルモンを血液中に運ぶ働きもあります。
また、血を固める「血小板」という成分が含まれているということも、中学校の理科で習います。
実は、リンパ液にも「赤血球」と「血小板」は含まれています。しかし、その量はわずかなため、リンパ液は赤く見えず、血を固める効果もほとんどありません。
赤血球やと血小板はサイズが大きく、血管の壁をすり抜けられないためです。
白血球には、免疫機能があります。
◆白血球の種類
このように白血球はいくつか種類があるのですが、その中でもリンパ液の中には「リンパ球」が多く含まれています。(詳しくは後述します)
血がたくさん出た時、ちょっとドロッとした感じがあるのは、これらのタンパク質があるからです。
リンパ液にも「アルブミン」「グロブリン」は含まれていますが、血液の半分強くらいしか含まれないので、血液と比較するとサラっとしています。
血液もリンパ液も、電解質の成分はほとんど同じです。
小腸から始まるリンパ管(中心リンパ管)は、食事からとった脂分(脂肪酸やグリセロール)を血管まで運びます。
このリンパ管にあるリンパ液だけ、脂分が多く含まれるので、白く濁っています。
そのため、そのような白いリンパ液を「乳糜(にゅうび)」、乳糜が通る管を「乳糜管(にゅうびかん)」と呼ぶことがあります。
これらは血液、リンパ液に大きな違いはありません。
血液はだいたい成分の割合が決まっているのですが、リンパ液の場合は場所によって成分組成が変わってきます。
前述では、「乳糜管の中のリンパ液は脂肪を多く含んでいる」という説明をしました。
その他には、肝臓付近のリンパ液にはタンパク質が5%程含まれているのに対し、皮膚付近では1%も含まれないことが知られています。
リンパ液や血液に含まれていて、免疫として働く細胞です。
もっと知りたい人は→【ゾンビ化】免疫の仕組みを解説!
リンパ管は、リンパ液が流れる管です。
リンパ管にはポンプがないので、ゆっくり流れます。
基本的には平滑筋の収縮によって流れを作り出しています。
内部には弁がついており、逆流を防いでいます。
その作りは静脈に似ていて、体を流れる方向も静脈とほぼ同じとなっています。
体の細部に張めぐされている毛細リンパ管は、太いリンパ管へと合流し、最終的には胸腔内にある2本のリンパ本幹(右リンパ本幹)を通って静脈に合流します。
太ももの付け根を強く押すと、奥の方にコリコリした豆のようなものがあると思います。
それがリンパ節。
全身に分布し、全部で600個くらいあります。
リンパ節は、リンパ液と一緒に流れて来た病原体などをチェックして処理する、関門所のようなところです。
また、病原体のほかにも老廃物をろ過します。
リンパ管やリンパ節など、リンパに関係する器官をまとめた呼び方。
組織液が細胞の中に滞って体の一部が膨らんだ状態になる「むくみ」は、医学用語で「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれています。
前述の通り、リンパ液は余分な水分を回収する働きをしているので、リンパ液の流れが滞れば、むくみができます。
また、リンパ液がうまく流れていても、血液から液体が血管へ大量に漏れ出すと、リンパ液が液体を回収しきれなくなります。
血液から血管に液体が過剰に漏れ出す原因としては、「アルブミンの減少」があります。
アルブミンには水を引っ張る力があるため、血中のアルブミンが少なくなると、血管から水が漏れ出してしまうのです。
疲れやすくなったり、肌荒れ、たるみ、風邪をひきやすくなったりします。
細胞内に滞った水分を排出させることにより、体重が落ちることがあります。
また、リンパをマッサージしたり、ストレッチすることにより、老廃物が排出されやすくなったり、基礎代謝が上がって痩せやすい体質になることがあります。
普段まったく運動していない人は、ちょっと運動するだけでもリンパの流れは良くなるので、やせている・やせていないに関わらず、適度な運動は必要でしょう。
ギリシャ語「nymphe」→ラテン語「Lympha」→英語「Lymph(リンフ)」
看護師国家試験で出題されたことがあるので確認しておきましょう♪
1️⃣ リンパ管には弁がある。〇か×か?→答え
2️⃣ リンパ系の主管である胸管は動脈に注ぐ。〇か×か?→答え
3️⃣ 食事として摂った栄養素を運ぶ役割があるけど、何の栄養を運ぶ?→答え
4️⃣ リンパの流れは動脈と同方向。〇か×か?→答え
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訳がわからない!
そんな時はここで解決!
🔶リンパ
リンパとは?
よく、「リンパの流れ」という言葉を耳にしますよね。
この「リンパ」とは、「リンパ液」のことを指しています。
リンパ液とは?
体液には、血液、リンパ液、そして組織液があります。
血液はご存知の通り、怪我をした時に出てくる赤い液体です。
でもたまに、透明~黄色っぽいの液体が出てくることがあるんですよね。
それが「リンパ液」です。
成分が似ているので「白い血液」など呼ばれることもあります。
なぜ血液とリンパ液の成分は似ているの?
リンパ液は、血液から浸み出たものだからです。
【リンパ液の作られ方】
①血しょうが組織液になる
血液中の血しょう(血の液体の部分)の一部が、血管の外へ漏れます。血管の外へ漏れると、その液体は「組織液」になります。
組織液は、血管と細胞との間で栄養分や老廃物の交換を行います。
②組織液がリンパ液になる
組織液の内、10~20%くらいがリンパ管へ入っていきます。組織液がリンパ管へ入ると「リンパ液」になります。
残りの組織液はまた血液に戻って、血液の一部になります。
リンパ液の役割
リンパ液のはたらきはいくつかあります。
細胞の中の余分な水分を吸い出して処理する
細胞にある余分な水分を吸い取ってリンパ液の一部にすることで、細胞内に水分が滞ることを予防しています。
もし、リンパ液の流れが滞り、細胞内の水分がたまってしまうと、「むくみ(浮腫)」が起こります。
細菌や毒素を退治して、体を病気から守る
俺も一応リンパ球!(キラーT細胞:はたらく細胞より)
リンパ液の中には「リンパ球」という免疫細胞が含まれています。
この免疫細胞は、体内に侵入してきた細菌や毒素を退治して、体を守る働きがあります。(詳しくは後述します)
食事から摂った脂質を運ぶ
ぼくたち脂質は「カイロミクロン」という乗り物に乗ってリンパ管に入ります。
脂質は、他の栄養素よりもサイズが大きいため、腸の毛細血管に入り込めません。
そのため一度リンパ管に入りリンパ液と一緒に血管(左鎖骨下静脈)を目指します。
→詳しくは【脂質を食べてから消化されるまでのルート】
その他には、ホルモンを血液中に運ぶ働きもあります。
血液とリンパ液の違い
【赤血球・血小板】
血液のが赤く見えるのは、「赤血球」が多く含まれているから。赤血球は、酸素の運搬などを行います。また、血を固める「血小板」という成分が含まれているということも、中学校の理科で習います。
実は、リンパ液にも「赤血球」と「血小板」は含まれています。しかし、その量はわずかなため、リンパ液は赤く見えず、血を固める効果もほとんどありません。
赤血球やと血小板はサイズが大きく、血管の壁をすり抜けられないためです。
【白血球】
白血球は、血液にもリンパ液にも多く含まれる細胞です。白血球には、免疫機能があります。
◆白血球の種類
- 顆粒球(好中球、好酸球、好塩基球)
- リンパ球
- 単球
このように白血球はいくつか種類があるのですが、その中でもリンパ液の中には「リンパ球」が多く含まれています。(詳しくは後述します)
【タンパク質】
血液やリンパ液には、「アルブミン」、「グロブリン」というタンパク質が含まれます。血がたくさん出た時、ちょっとドロッとした感じがあるのは、これらのタンパク質があるからです。
リンパ液にも「アルブミン」「グロブリン」は含まれていますが、血液の半分強くらいしか含まれないので、血液と比較するとサラっとしています。
【電解質】
ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなど血液もリンパ液も、電解質の成分はほとんど同じです。
【脂肪】
前述でも少し説明しましたが、リンパ液は脂肪を運ぶ役割があります。小腸から始まるリンパ管(中心リンパ管)は、食事からとった脂分(脂肪酸やグリセロール)を血管まで運びます。
このリンパ管にあるリンパ液だけ、脂分が多く含まれるので、白く濁っています。
そのため、そのような白いリンパ液を「乳糜(にゅうび)」、乳糜が通る管を「乳糜管(にゅうびかん)」と呼ぶことがあります。
【その他】
グルコース、尿酸、ビリルビン、クレアチニン、ビリルビンなどこれらは血液、リンパ液に大きな違いはありません。
成分組成は?
血液はだいたい成分の割合が決まっているのですが、リンパ液の場合は場所によって成分組成が変わってきます。
前述では、「乳糜管の中のリンパ液は脂肪を多く含んでいる」という説明をしました。
その他には、肝臓付近のリンパ液にはタンパク質が5%程含まれているのに対し、皮膚付近では1%も含まれないことが知られています。
リンパ球とは?
リンパ液や血液に含まれていて、免疫として働く細胞です。
- B細胞…抗体を作る。
- NK細胞…ウイルスなどに感染した細胞を攻撃する。
- キラーT細胞…ウイルスなどに感染した細胞を攻撃する。
- ヘルパーT細胞…他の免疫を活性化させる
もっと知りたい人は→【ゾンビ化】免疫の仕組みを解説!
静脈に似たリンパ管
リンパ管は、リンパ液が流れる管です。
リンパ管にはポンプがないので、ゆっくり流れます。
基本的には平滑筋の収縮によって流れを作り出しています。
内部には弁がついており、逆流を防いでいます。
その作りは静脈に似ていて、体を流れる方向も静脈とほぼ同じとなっています。
体の細部に張めぐされている毛細リンパ管は、太いリンパ管へと合流し、最終的には胸腔内にある2本のリンパ本幹(右リンパ本幹)を通って静脈に合流します。
リンパ節とは?
太ももの付け根を強く押すと、奥の方にコリコリした豆のようなものがあると思います。
それがリンパ節。
全身に分布し、全部で600個くらいあります。
リンパ節は、リンパ液と一緒に流れて来た病原体などをチェックして処理する、関門所のようなところです。
また、病原体のほかにも老廃物をろ過します。
リンパ系とは?
リンパ管やリンパ節など、リンパに関係する器官をまとめた呼び方。
リンパとむくみの関係
組織液が細胞の中に滞って体の一部が膨らんだ状態になる「むくみ」は、医学用語で「浮腫(ふしゅ)」と呼ばれています。
前述の通り、リンパ液は余分な水分を回収する働きをしているので、リンパ液の流れが滞れば、むくみができます。
また、リンパ液がうまく流れていても、血液から液体が血管へ大量に漏れ出すと、リンパ液が液体を回収しきれなくなります。
血液から血管に液体が過剰に漏れ出す原因としては、「アルブミンの減少」があります。
アルブミンには水を引っ張る力があるため、血中のアルブミンが少なくなると、血管から水が漏れ出してしまうのです。
リンパの流れが滞ると、浮腫以外に症状はあるの?
疲れやすくなったり、肌荒れ、たるみ、風邪をひきやすくなったりします。
リンパマッサージやストレッチはやせるって本当?
細胞内に滞った水分を排出させることにより、体重が落ちることがあります。
また、リンパをマッサージしたり、ストレッチすることにより、老廃物が排出されやすくなったり、基礎代謝が上がって痩せやすい体質になることがあります。
普段まったく運動していない人は、ちょっと運動するだけでもリンパの流れは良くなるので、やせている・やせていないに関わらず、適度な運動は必要でしょう。
語源は?
ギリシャ語「nymphe」→ラテン語「Lympha」→英語「Lymph(リンフ)」
確認クイズ
看護師国家試験で出題されたことがあるので確認しておきましょう♪
1️⃣ リンパ管には弁がある。〇か×か?→答え
2️⃣ リンパ系の主管である胸管は動脈に注ぐ。〇か×か?→答え
3️⃣ 食事として摂った栄養素を運ぶ役割があるけど、何の栄養を運ぶ?→答え
4️⃣ リンパの流れは動脈と同方向。〇か×か?→答え
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