なぜ「イオン」が付くの?







HClの場合


HClは、「H」が「Cl」に繋がった状態で安定しています。

1、HClは安定している

本来、

Clは、持っている陽子(+)の数が「17」、電子(-)の数も「17」です。

Hは、持っている陽子(+)の数が「」、電子(-)の数も「」です。


この二つが合体することにより、HClは合計で18個の陽子(+)と電子(-)を持っていることになります。


※Clは内側に10個の電子を隠し持っていて、外側に8個の電子を出しています。

外側の電子のうちの1つを、Hと共有しています。



ある時、HClが分離して、HClに別れたとしましょう。

HとClが分かれる


本来、Clが持っているはずの電子(-)は「17」のはずなのに、

水素は電子を残して離れて行ってしまいます。

なぜかと言うと、Clは電子(-)を「18」個持っている状態が最も安定するからです。(電子が偶数になる方が安定するのです)


3、イオンが付く

ここにあるClは今、電子(-)を18個持っていますが、
陽子(+)は変わらず17のままなので「-」が1つ余分になります。

「-」が1つ余分になると、Clの横には「-」が付きます。(ちなみに「-」が2つ余分な場合は「-2」が付きます。)


離れて行った水素は、本来電子(-)を1つ持っているはずですが持っていません。
そして陽子(+)は変わらず1のままです。

つまり、「+」が多い状態なので、Hの横に「+」が付くことになります。


物質の横に「+」や「-」がついたものを読み上げる時は、「イオン」と言います。


NAD+とH+の場合


電子伝達系で、電子を2個手放しています。

つまり、安定した状態からNADもHも1つずつ電子を失っているので、それぞれに「+」が付きます。





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