【キャラ化】アルコール発酵と乳酸発酵の違いをわかりやすく説明!

こんがらがりやすいアルコール発酵乳酸発酵の違いを、とってもやさしくまとめました!!

ちんぷんかんぷんの人!必ず理解できるので見ていってくださいな😄

🔶アルコール発酵・乳酸発酵

乳酸発酵





アルコール発酵とは?



乳酸顔
いきなりですが問題です。日本酒は何でできているでしょう?



ピルビン酸顔
うーん、お米と、なんだ?



乳酸顔
正解は、お米と麹(こうじ)と水ですよ。



日本酒の材料になるお米にはたくさんの糖類が含まれています。

この糖類を、麹に含まれる酵素によって分解してグルコースにし、更に発酵させるとアルコールができます。

これがアルコール発酵です。

では、ここでどんなことが起こっているのか見てみましょう。

麹とは?


お米や小麦に麹菌(こうじきん)を繁殖させたものです。麹菌はカビの一種ですが、体には無害です。デンプンやタンパク質を分解する酵素を持っています。




解糖が始まる



麹菌によってお米のデンプンが分解されグルコースが作られると、それが更に分解されていきます。

この、「グルコースが分解されてエネルギーの素になるものを作ること」を「解糖」といいます。

そして解糖される順路のことを解糖系といいます。

解糖系の簡単な図(アルコール発酵用

詳しくは→【解糖系】

解糖系では最後、ピルビン酸がつくられます。


ピルビン酸顔
オレ様はピルビン酸だ!覚えておけ!



ピルビン酸はその後、麹菌に含まれる酵素(ピルビン酸カルボキシラーゼ)によりアセトアルデヒド二酸化炭素に変化します。

アセトアルデヒドと二酸化炭素


そして今度は別の酵素(アルコールデヒドロゲナーゼ)によりアセトアルデヒドに水素がくっつき、エタノールが生成されます。

エタノール

この時に使われる水素は、解糖系でつくられたNADHからもらう水素です。

アルコール発酵

ATPについて
解糖系ではグリセルアルデヒド3-リン酸(背景がピンク色の部分)から分子が2個ずつになっているので、最終的に1分子のグルコースから2分子のエタノールが作られます。そしてATPが2つ生成されます。

ただしこのATPは、アルコール発酵で特別に作られるわけではなく、解糖系の流れの中で作られるものです。


NADHについて
解糖系のピンク色の部分でNADH+H(「NADHと水素イオン」という意味)が生まれます。

そしてNADH+Hはアルコール発酵が行われる時にアセトアルデヒドの元へ行き、水素(H2)を渡します。

水素をなくして一人ぼっちになったNADまた解糖系へ帰って行きます

つまり、アルコール発酵が行われる時、NADHは生まれても消えるので電子伝達系へ進むことにはなりません。


アルコール発酵の反応式
1個のグルコース+2個のADP+2個のリン酸2個のエタノール+2個の二酸化炭素+2個のATP+2個の水



C6H12O6+2ADP+2H3PO42C2H6O+2CO2+2ATP+2H2O



エタノールとアルコールは違うの?


アルコールとは「??-OH」という化学構造をした物質の総称をいいます。

エタノールの示性式は「C2H5-OH」なので、アルコールの一種ということになります。


aseto
OH! My! アルコール!



麹以外でもアルコール発酵できるものはある!


ここまでは麹によるアルコール発酵を例に紹介しましたが、麹以外でもアルコール発酵できるものがあります。

たとえばイースト菌です。



パンを作ったことはありますか?

小麦粉、水、油、砂糖にドライイーストを入れてこね、放置するとだんだん膨らんできます。

これはイースト菌によって糖類がアルコール発酵されるため膨らんでいるのです。

パンがフカフカになるはこのためです。この時匂いを嗅いでみると、お酒の匂いがします。

この膨らんだ物体を焼くことによってアルコールが飛んでパンができます。パンが出来たころにはアルコールの匂いはなくなっています。


その他のアルコール発酵の代表と言えば、ビールです。ビールの場合は、麦芽で糖類を分解した後、ビール酵母でアルコール発酵させています。




乳酸発酵とは?


解糖系の最後にピルビン酸が出来ると記述しましたが、特定の条件がある場合のみ、ピルビン酸の後に乳酸ができます。


乳酸顔
ごきげんよう。私は乳酸です。



たとえば、牛乳に乳酸菌を入れて暖かい場所に置いておくと、乳酸発酵してヨーグルトができます。

これは乳酸菌が牛乳の糖分を分解して乳酸を作っているからなんです。

乳酸は酸性ですっぱいので、ヨーグルトはすっぱくなります。

詳しく説明すると、解糖系の最後、乳酸菌に含まれる酵素(乳酸脱水素酵素:LD)のはたらきにより、ピルビン酸に水素がくっつくことによって乳酸はつくられます。これが乳酸発酵です。

乳酸発酵


ちなみに人の体内でも乳酸はできます。人の場合は乳酸菌ではなく無酸素運動が条件で乳酸脱水素酵素により乳酸ができます。


ATPについて
アルコール発酵と同じで、解糖系の流れの中でATPが二つ作られるのみです。乳酸発酵で特別ATPが作られるわけではありません。


NADHについて
アルコール発酵と同じで、解糖系で生まれたNADH+Hは乳酸発酵で使われるのでエネルギーにはなりません。


乳酸発酵の反応式
1個のグルコース+2個のADP+2個のリン酸2個の乳酸+2個のATP+2個の水



C6H12O6+2ADP+2H3PO42C3H6O3+2ATP+2H2O



なぜヨーグルトになったら固まるの?

牛乳にはカゼインというタンパク質が含まれています。

タンパク質は酸によって固まる性質をもっているため、乳酸に囲まれると固まります。



まとめ


・アルコール発酵は、グルコースからエタノールができる発酵。人の体内では起こらない。

・乳酸発酵は、グルコースから乳酸ができる発酵。人の体内でも起こる。


私の融点は53℃です 解糖系 ピルビン酸
(融点は覚えなくていいですw)




クエン酸回路



解糖系 わかりやすく