【キャラ化】糖新生についてわかりやすく解説!(初心者向け)
糖新生って何?
どんなことが起きるの?
血液中のグルコースがなくなり、更に肝臓や筋肉のグリコーゲンも使い果たした時、体は新たに糖質以外の物質からグルコースを作り出します。
それを糖新生(とうしんせい)といいます。
書いて字のごとく、糖を新しく生み出すしくみです。
糖新生の経路
まず糖新生は基本的にピルビン酸から始まるものだと思ってください。
糖新生の基本経路
糖新生は、ピルビン酸が形を変えながらクエン酸回路を巡回して、ミトコンドリアから脱出し、解糖系に入って逆方向へ進み、最後にグルコースになります。
クエン酸回路の普通のルートではピルビン酸はクエン酸になりましたが、実は直接オキサロ酢酸になることもできます。
そして、オキサロ酢酸ーリンゴ酸の間は可逆的なので、ちょっと左に行けばすぐに解糖系に入っていくことができます。
→【解糖系をキャラ化!】
→【クエン酸回路をキャラ化!】
◆それでもピルビン酸はクエン酸回路に一度入らなければならない
そうなんです。解糖系ではホスホエノールピルビン酸からピルビン酸になりましたが、これは不可逆的反応であるため、逆方向に進むことができません。
そのため、ピルビン酸はわざわざクエン酸回路に入った後、解糖系へ進むことになります。
◆リンゴ酸について
オキサロ酢酸はミトコンドリアの膜を通過することができないので、細胞質基質に行くためにはリンゴ酸になる必要があります。
リンゴ酸はミトコンドリアから脱出できる姿なので、細胞質基質へ出られます。そしてそこでオキサロ酢酸に変わります。
糖新生は、主に肝臓で行われます。
なぜかというと、解糖系を逆向きに進ませることが出来る「グルコース6-ホスファターゼ」という酵素が肝臓と腎臓にしかないためです。一応腎臓にもあるのですが、そこでは糖新生はあまり行われません。
筋肉など、他の場所にはこの酵素がないため糖新生が起こりません。
※α-ケトグルタル酸は、教科書によっては「2-オキソグルタル酸」と書かれている場合があります。
クエン酸回路を時計回りに回って糖新生が起こることもあります。
たとえば「ピルビン酸がオキサロ酢酸になるための酵素が使えない」場合、ピルビン酸からスタートするのではなく「クエン酸の中間体から糖新生がスタート」する場合、「クエン酸の中間体になれる他の物質からスタート」する場合です。
「ピルビン酸」や「クエン酸の中間体」になれる物質は?
他の物質からスタートする場合の物質を細かくご紹介していきますね。
◆乳酸
体内の乳酸がピルビン酸に変わり、糖新生が起こることがあります。
この時、乳酸脱水素酵素が使われます。
◆糖原性アミノ酸
糖の材料になるアミノ酸を「糖原性アミノ酸」と言います。
ピルビン酸になれるアミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、トリプトファンです。
α-ケトグルタル酸(3-オキソグルタル酸)になるもの
α-ケトグルタル酸になれるアミノ酸は、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、プロリンです。
スクシニルCoAになるもの
スクシニルCoAになれるアミノ酸は、イソロイシン、メチオニン、バリンです。
【プロピオン酸がスクシニルCoAになるまで】
①プロピオン酸 → ②プロピオニルCoA → ③S-メチルマロニルCoA → ④R-メチルマロニル-CoA → ⑤スクシニルCoA
フマル酸になるもの
フマル酸になれるアミノ酸は、チロシン、フェニルアラニンです。
オキサロ酢酸になるもの
オキサロ酢酸になれるアミノ酸は、アスパラギン酸です。
クエン酸回路を通らずに糖になれるグリセリド
グリセリドは、中性脂肪が分解することによって生まれる物質です。
グリセリドは、ジヒドロキシアセトンリン酸になった後グリセルアルデヒド3-リン酸になり、解糖系の逆を進みます。
まとめ
・糖新生は、糖質以外の物質からグルコースを作り出すしくみ。
・基本的にはクエン酸回路に入ってから解糖系の逆順路に入ってグルコースになる。
・グルコースになるための酵素(グルコース6-ホスファターゼ)は肝臓か腎臓にしかない。
・糖になる材料は、乳酸、糖原性アミノ酸、プロピオン酸、グリセリドがある。
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どんなことが起きるの?
🔶糖新生
糖新生とは?
血液中のグルコースがなくなり、更に肝臓や筋肉のグリコーゲンも使い果たした時、体は新たに糖質以外の物質からグルコースを作り出します。
それを糖新生(とうしんせい)といいます。
書いて字のごとく、糖を新しく生み出すしくみです。
糖新生の経路
まず糖新生は基本的にピルビン酸から始まるものだと思ってください。
オレ様から始まるぜい!
糖新生の基本経路
糖新生は、ピルビン酸が形を変えながらクエン酸回路を巡回して、ミトコンドリアから脱出し、解糖系に入って逆方向へ進み、最後にグルコースになります。
クエン酸回路の普通のルートではピルビン酸はクエン酸になりましたが、実は直接オキサロ酢酸になることもできます。
そして、オキサロ酢酸ーリンゴ酸の間は可逆的なので、ちょっと左に行けばすぐに解糖系に入っていくことができます。
→【解糖系をキャラ化!】
→【クエン酸回路をキャラ化!】
◆それでもピルビン酸はクエン酸回路に一度入らなければならない
ピルビン酸からホスホエノールピルビン酸に直接変われれば、どんだけ楽なことか。。
そうなんです。解糖系ではホスホエノールピルビン酸からピルビン酸になりましたが、これは不可逆的反応であるため、逆方向に進むことができません。
そのため、ピルビン酸はわざわざクエン酸回路に入った後、解糖系へ進むことになります。
◆リンゴ酸について
オキサロ酢酸はミトコンドリアの膜を通過することができないので、細胞質基質に行くためにはリンゴ酸になる必要があります。リンゴ酸はミトコンドリアから脱出できる姿なので、細胞質基質へ出られます。そしてそこでオキサロ酢酸に変わります。
反応が起こる場所は?
糖新生は、主に肝臓で行われます。
なぜかというと、解糖系を逆向きに進ませることが出来る「グルコース6-ホスファターゼ」という酵素が肝臓と腎臓にしかないためです。一応腎臓にもあるのですが、そこでは糖新生はあまり行われません。
筋肉など、他の場所にはこの酵素がないため糖新生が起こりません。
遠回り
※α-ケトグルタル酸は、教科書によっては「2-オキソグルタル酸」と書かれている場合があります。
クエン酸回路を時計回りに回って糖新生が起こることもあります。
たとえば「ピルビン酸がオキサロ酢酸になるための酵素が使えない」場合、ピルビン酸からスタートするのではなく「クエン酸の中間体から糖新生がスタート」する場合、「クエン酸の中間体になれる他の物質からスタート」する場合です。
「ピルビン酸」や「クエン酸の中間体」になれる物質は?
他の物質からスタートする場合の物質を細かくご紹介していきますね。
ピルビン酸になるもの
◆乳酸
体内の乳酸がピルビン酸に変わり、糖新生が起こることがあります。
この時、乳酸脱水素酵素が使われます。
◆糖原性アミノ酸
糖の材料になるアミノ酸を「糖原性アミノ酸」と言います。
ピルビン酸になれるアミノ酸は、アラニン、グリシン、セリン、トレオニン、システイン、トリプトファンです。
α-ケトグルタル酸(3-オキソグルタル酸)になるもの
α-ケトグルタル酸になれるアミノ酸は、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、プロリンです。
スクシニルCoAになるもの
◆糖原性アミノ酸
スクシニルCoAになれるアミノ酸は、イソロイシン、メチオニン、バリンです。
◆プロピオン酸
影は薄いですが、プロピオン酸という物質からいくつかの経路をたどってスクシニルCoAになる場合もあります。【プロピオン酸がスクシニルCoAになるまで】
①プロピオン酸 → ②プロピオニルCoA → ③S-メチルマロニルCoA → ④R-メチルマロニル-CoA → ⑤スクシニルCoA
フマル酸になるもの
フマル酸になれるアミノ酸は、チロシン、フェニルアラニンです。
オキサロ酢酸になるもの
オキサロ酢酸になれるアミノ酸は、アスパラギン酸です。
クエン酸回路を通らずに糖になれるグリセリド
グリセリドは、中性脂肪が分解することによって生まれる物質です。
グリセリドは、ジヒドロキシアセトンリン酸になった後グリセルアルデヒド3-リン酸になり、解糖系の逆を進みます。
ちなみに脂肪酸はグルコースにはなれません。
まとめ
・糖新生は、糖質以外の物質からグルコースを作り出すしくみ。
・基本的にはクエン酸回路に入ってから解糖系の逆順路に入ってグルコースになる。
・グルコースになるための酵素(グルコース6-ホスファターゼ)は肝臓か腎臓にしかない。
・糖になる材料は、乳酸、糖原性アミノ酸、プロピオン酸、グリセリドがある。
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