【キャラ化】脂肪酸のβ酸化をわかりやすく説明!⛹
運動をすると、体脂肪が分解し、β酸化が始まります!
では、β酸化はどんなしくみなのか⁈ さっそく見ていきましょう!
簡単に言うと、アシルCoAをアセチルCoAに変える過程をβ酸化(べーたさんか)と言います。
私たちは、体脂肪を分解してエネルギーとして使うことができます。
効率よくエネルギーにするためには、脂肪を分解して「脂肪酸」を生成し、更にそれをクエン酸回路(TCAサイクル)に持っていく必要があります。→クエン酸回路って?
脂肪酸がクエン酸回路へ入るためには、まずアシルCoAになり、その後いくつかの物質に変化しながらアセチルCoAになる必要があります。その経路がβ酸化、という訳です。
つまり脂肪酸のβ酸化は、体脂肪を分解するシステムということになります。
ということは、ダイエットに関係するということです!!
ではさっそくβ酸化について詳しく見ていきましょう😀
β酸化では何が起こっているの?
テキストの図って、グルグル風に説明しているものが多いですよね。
絶対グルグルにしなきゃいけないという訳ではないのですが、テキストに合わせて作ってみました。
では細かく見ていきましょう!
準備:
黄色いキャラクターが脂肪酸、
バスケットボールがCoA(コエンザイムエー:補酵素A)、
お相撲さんがATPとします。
脂肪酸は脂肪の分解などにより生成され、
CoAは食事から摂ったパントテン酸から生成され、
ATPは変化を起こすエネルギーになります。
まず、ATPが2つのリン酸(PPi)を外しながら、その力を使って脂肪酸にCoAを渡します。
するとATPはリン酸が2つ外れたのでAMPとなり、
脂肪酸はアシルCoAとなります。
ミトコンドリアへ入ろうとするアシルCoAは、ひとりでは膜を通過できないので、カルニチンの力を借ります。
カルニチンと結合してアシルカルニチンとなれば、ミトコンドリアの外膜・内膜を通過することができるようになるので、そのままマトリックスへ入っていきます。
その後アシルCoAとカルニチンは分解してカルニチンだけ帰っていきます。
β酸化スタート:
酵素の作用によりアシルCoAから水素が2つ抜け、エノイルCoA(Δ2-トランス-エノイルCoA)になります。
抜け出した水素はFADとくっつくので、FADH2が生成されます。
エノイルCoAに水が結合します。すると3-ヒドロキシアシルCoA(L(+)3-ヒドロキシアシルCoA)になります。
キャラクターが人っぽくなりました😄
3-ヒドロキシアシルCoAから水素が2つ抜けると、3-オキソアシルCoA(3-ケトアシルCoA)になります。
抜け出した水素はNAD+とくっつくので、NADH+Hが生成されます。
3-オキソアシルCoAは別のCoAを受け取ります。
すると二つに分裂します。
分裂すると、アセチルCoAとアシルCoAが出来ています。
(3-ヒドロキシアシルCoAを間違えて英語で書いてしまいました(^▽^;))
アセチルCoAはクエン酸回路へ入っていき、NADH+HやFADH2を作り出していきます。
残ったアシルCoAはまたβ酸化を始めます。
それが繰り返され、どんどんアシルCoAの足が短くなっていきます。
脂肪酸にはいろいろな種類がありますが、私たちが食品として摂取する脂肪酸のほとんどが炭素数12個以上の長鎖脂肪酸です。
この炭素数がループの回数を決めます。
つまり、炭素の数がアシルCoAの足の長さを決めているということになります。
1ループ(アセチルCoAが1つできる)のうちに、炭素は2個ずつなくなっていきます。
炭素数が多ければ、「アシルCoA→アセチルCoA」のループがたくさん繰り返され、その間に毎回2個ずつ炭素がなくなっていき、どんどん脂肪酸が小さくなってループが終わります。
炭素数が少なければ、材料が少ないのでループの数が少なく終わります。
たとえば、動物性の脂肪に多く含まれるパルミチン酸は炭素数が16個の長鎖脂肪酸です。
これがβ酸化すると、
1回目のβ酸化では、18個の炭素に補酵素Aがくっつき、最後にアセチルCoAが1つ切り離されるので、アセチルCoAの中身の炭素が2個減って、もともとある脂肪酸の炭素数は16個になります。
同じような感じで、
2回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って14になります。
3回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って12になります。
4回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って10になります。
5回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って8になります。
6回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って6になります。
7回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って4になります。
最後に残った2個の炭素に、補酵素Aがくっつき直接アセチルCoAになって終わります。この場合は、サイクルを回らなくてすむため、β酸化ではありありません。
つまり、「16個の炭素数の長鎖脂肪酸ではβ酸化は7回起こり、アセチルCoAは8個できる」ということになります。
ミトコンドリアのマトリックス内で行われます。
®は、アルキル基(-CnH2n+1)のことで、数学で例えるなら「x」のようなものです。
β位にある炭素が酸化されるためです。
α、β、、、は、(-OH)が付いている炭素の隣から数え始めます。βの次はγ、δ…とギリシャ文字(小文字)が続きます。
医療系国家試験のテキストには「3-オキソアシルCoA」と書かれているものが多いですが、生化学の専門書では「3-ケトアシルCoA」の方が多いので、ここでは敢えて「3-ケトアシルCoA」にしてみました。
酵素まで勉強しなければならない人って、結構ハイレベルですよね。
超長鎖脂肪酸😄
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では、β酸化はどんなしくみなのか⁈ さっそく見ていきましょう!
🔶β酸化
もくじ
・β酸化とは?
・なぜ脂肪酸をアセチルCoAに変えるの?
・β酸では何が起こっているの?
・β酸化が起こる場所は?
・構造式はどうなっているの?
・なぜ「β酸化」と呼ばれるの?
・使われる酵素
・β酸化とは?
・なぜ脂肪酸をアセチルCoAに変えるの?
・β酸では何が起こっているの?
・β酸化が起こる場所は?
・構造式はどうなっているの?
・なぜ「β酸化」と呼ばれるの?
・使われる酵素
β酸化とは?
簡単に言うと、アシルCoAをアセチルCoAに変える過程をβ酸化(べーたさんか)と言います。
今日のラッキーアイテムは…バスケットボール!!
なぜアシルCoAをアセチルCoAに変えるの?
私たちは、体脂肪を分解してエネルギーとして使うことができます。
効率よくエネルギーにするためには、脂肪を分解して「脂肪酸」を生成し、更にそれをクエン酸回路(TCAサイクル)に持っていく必要があります。→クエン酸回路って?
脂肪酸がクエン酸回路へ入るためには、まずアシルCoAになり、その後いくつかの物質に変化しながらアセチルCoAになる必要があります。その経路がβ酸化、という訳です。
つまり脂肪酸のβ酸化は、体脂肪を分解するシステムということになります。
ということは、ダイエットに関係するということです!!
ではさっそくβ酸化について詳しく見ていきましょう😀
β酸化では何が起こっているの?
テキストの図って、グルグル風に説明しているものが多いですよね。
絶対グルグルにしなきゃいけないという訳ではないのですが、テキストに合わせて作ってみました。
では細かく見ていきましょう!
準備:
脂肪酸がアシルCoAになるまで
黄色いキャラクターが脂肪酸、
バスケットボールがCoA(コエンザイムエー:補酵素A)、
お相撲さんがATPとします。
脂肪酸は脂肪の分解などにより生成され、
CoAは食事から摂ったパントテン酸から生成され、
ATPは変化を起こすエネルギーになります。
まず、ATPが2つのリン酸(PPi)を外しながら、その力を使って脂肪酸にCoAを渡します。
するとATPはリン酸が2つ外れたのでAMPとなり、
脂肪酸はアシルCoAとなります。
ミトコンドリアへ入ろうとするアシルCoAは、ひとりでは膜を通過できないので、カルニチンの力を借ります。
カルニチンと結合してアシルカルニチンとなれば、ミトコンドリアの外膜・内膜を通過することができるようになるので、そのままマトリックスへ入っていきます。
その後アシルCoAとカルニチンは分解してカルニチンだけ帰っていきます。
β酸化スタート:
アシルCoAがエノイルCoAになる
酵素の作用によりアシルCoAから水素が2つ抜け、エノイルCoA(Δ2-トランス-エノイルCoA)になります。
抜け出した水素はFADとくっつくので、FADH2が生成されます。
3-ヒドロキシアシルCoAになる
エノイルCoAに水が結合します。すると3-ヒドロキシアシルCoA(L(+)3-ヒドロキシアシルCoA)になります。
キャラクターが人っぽくなりました😄
3-オキソアシルCoAになる
3-ヒドロキシアシルCoAから水素が2つ抜けると、3-オキソアシルCoA(3-ケトアシルCoA)になります。
抜け出した水素はNAD+とくっつくので、NADH+Hが生成されます。
アセチルCoAとアシルCoAになる
3-オキソアシルCoAは別のCoAを受け取ります。
すると二つに分裂します。
分裂すると、アセチルCoAとアシルCoAが出来ています。
その後
(3-ヒドロキシアシルCoAを間違えて英語で書いてしまいました(^▽^;))
アセチルCoAはクエン酸回路へ入っていき、NADH+HやFADH2を作り出していきます。
残ったアシルCoAはまたβ酸化を始めます。
それが繰り返され、どんどんアシルCoAの足が短くなっていきます。
長鎖脂肪酸のβ酸化
脂肪酸にはいろいろな種類がありますが、私たちが食品として摂取する脂肪酸のほとんどが炭素数12個以上の長鎖脂肪酸です。
この炭素数がループの回数を決めます。
つまり、炭素の数がアシルCoAの足の長さを決めているということになります。
1ループ(アセチルCoAが1つできる)のうちに、炭素は2個ずつなくなっていきます。
炭素数が多ければ、「アシルCoA→アセチルCoA」のループがたくさん繰り返され、その間に毎回2個ずつ炭素がなくなっていき、どんどん脂肪酸が小さくなってループが終わります。
炭素数が少なければ、材料が少ないのでループの数が少なく終わります。
たとえば、動物性の脂肪に多く含まれるパルミチン酸は炭素数が16個の長鎖脂肪酸です。
これがβ酸化すると、
1回目のβ酸化では、18個の炭素に補酵素Aがくっつき、最後にアセチルCoAが1つ切り離されるので、アセチルCoAの中身の炭素が2個減って、もともとある脂肪酸の炭素数は16個になります。
同じような感じで、
2回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って14になります。
3回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って12になります。
4回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って10になります。
5回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って8になります。
6回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って6になります。
7回目のβ酸化でもアセチルCoAが1つ切り離され、もともとある炭素が2個減って4になります。
最後に残った2個の炭素に、補酵素Aがくっつき直接アセチルCoAになって終わります。この場合は、サイクルを回らなくてすむため、β酸化ではありありません。
つまり、「16個の炭素数の長鎖脂肪酸ではβ酸化は7回起こり、アセチルCoAは8個できる」ということになります。
β酸化が起こる場所は?
ミトコンドリアのマトリックス内で行われます。
構造式
®は、アルキル基(-CnH2n+1)のことで、数学で例えるなら「x」のようなものです。
なぜ「β酸化」と呼ばれるの?
β位にある炭素が酸化されるためです。
α、β、、、は、(-OH)が付いている炭素の隣から数え始めます。βの次はγ、δ…とギリシャ文字(小文字)が続きます。
使われる酵素
医療系国家試験のテキストには「3-オキソアシルCoA」と書かれているものが多いですが、生化学の専門書では「3-ケトアシルCoA」の方が多いので、ここでは敢えて「3-ケトアシルCoA」にしてみました。
酵素まで勉強しなければならない人って、結構ハイレベルですよね。
おまけ
超長鎖脂肪酸😄
関連記事はコチラ
➜ サイトのもくじ【栄養学・生化学】